点検で耐用年数に大きな差
【耐用年数】
日本:30年
アメリカ:103年
なぜこのように圧倒的な差があるのでしょうか?
その原因にはさまざまなことが挙げられますが、所有者の多くが適切な点検・修繕を行っていないということも重要な一因です。
建物や設備は、定期的に点検し、必要に応じて適切なメンテナンスを行うことで耐久性に大きな差がつきます。
修繕費の目安と点検項目

一戸建ての修繕費は、建築費の1%に築年数をかけたものが一つの目安になります。
【建築費2000万円、築15年の場合】
2000万円×0.01(1%)=20万円
20万円×15年=300万円
築年数や工法、立地条件、それまでの修繕履歴などによってかなり変わるのであくまで参考程度としてください。
主な点検項目
・屋根
・雨樋
・外周り(基礎・破風板)
・外壁(吹付・タイル等)
・床(畳・フローリング等)
・壁、天井
・建具
・水回り(給排水管、浴槽等)
一戸建て長期修繕計画の目安(屋根、外壁)
修繕項目 | 修繕のポイント | 修繕サイクル | 内容 | |||
部分 | 部材 | 部分(年) | 全体(年) | |||
屋根 | 瓦(粘土瓦) | 割れ、ずれ | 割れ、ずれ | 5 | 20 | 割れ・ずれの補修、面戸補修(10年)割れ・ずれが多くなれば(15~20年)葺き替え |
瓦(セメント瓦) | 塗装塗り替え | 7~10 | 15 | |||
カラーベストコロニアル同等 | 塗装塗り替え | 7~10 | 25 | |||
外壁 | モルタルリシン仕上げしっくい塗り | 汚れ、ひび割れ 剝離 | 清掃亀裂直し部分塗装 | 1 3~5 8 | 15~20 | 亀裂が全体の20%を超えれば塗装(20~25年) |
吹付仕上げ | 汚れ、ひび割れ 剝離 | 部分吹替え | 10 | 15~20 | 美観上、部分吹替えより全面吹替えが多い(10~20年) |

例えば屋根(カラーベストコロニアル)であれば25年
吹付仕上げの外壁であれば15~20年が全体的な修繕の目安となります。
建材・設備機器ともにメンテナンスフリーの方向へ進んでいますが、永久に劣化しないものはありません。
建てた当初の性能を維持し、長持ちする家にするためには予防的で適切な点検とメンテナンスが必要になります。