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[コラム/災害 チェックポイント/災害リスク/防災対策]
知らないでは済まされない! 恐怖の水害事例【戸建て編】

2021-10-01


外水氾濫に内水氾濫。水害の種類を問わず、「個人の住居への被害」という意味で言えば、圧倒的に危ないのが地面に接して建つ戸建て住宅です。水害に対して、マンション以上にシビアな対策が求められることは間違いありません。戸建て住宅で起こり得る水害を知り、必要な対策を講じていくことが必要です。


外水氾濫による住宅への浸水被害



止水板、土のうなどを使って水を食い止める対策を


1つ目の事例は、外水氾濫(洪水)や内水氾濫(下水や小規模河川の氾濫)による浸水です。川から溢れ出た水が住宅を襲い、壁に染み込んだり、すき間から家の中に入ってきたりしてしまう被害です。


対策としては、まず、止水板などを使って水が入らないようにすること。止水板がなければ土のうや水のう(土ではなく水を袋に入れたもの)でも構いません。とにかく、家に押し寄せる水を食い止めるのです。


都市部では敷地を有効に使った狭小住宅が多く見られますが、もし地下に部屋や駐車場を設けているなら、さらに要注意。地下のスペースを活用するということは、人為的に水の流れやすくなる場所をつくっているようなもの。つまり、自ら進んで水没のリスクを高くしているということです。例えば地下室にいる時にゲリラ豪雨に見舞われ、浸水したとしましょう。外開きのドアなら30cm弱、内開きのドアなら50cm弱くらいの高さまで水位が上がってしまうと、自力で地下室のドアを開けることはほぼ不可能です。


まずは地下のスペースを活用することのリスクをしっかりと理解すること。そして、万が一の際の対策を講じておくことが重要です。


物理的に住宅の位置を上げる方法もあるが、地盤が緩んでしまう可能性は否定できない


これから家を建てるのであれば、家を建てる地盤の高さの高さを上げるという方法もあります。住宅そのものの位置を物理的に上げてしまうということです。


ただし、何十万年、何百万年という気が遠くなる年月を経て強固に締め固められた自然にできた地盤と違い、人為的に固められた地盤は、地盤自体が沈んでしまうリスクが少なからずあります。地震で地盤が崩れてしまう可能性もあるでしょう。地盤に人為的に手を加えることは、別のリスクが発生するということです。安易に選べる方法ではないということは知っておいてください。


戸建て住宅で起こる雨漏り事例


住宅の構造にかかわらず、日々の点検、メンテナンスは必要


次は戸建て住宅における雨漏りの事例です。まずは数字を見ていただくのがいいでしょう。私たちさくら事務所が住宅のインスペクションをした際に雨漏りと思われる染みを発見した割合を、住宅の構造ごとにまとめたデータです。



「在来」は在来軸組工法(一般的な木造住宅に使われる工法)、「2×4」は枠組壁工法(いわゆるツーバイフォー工法)で、いずれも木造です。そして鉄骨造、RC造(鉄筋コンクリート造)と並びますが、RC造が45%と、染みが見つかる可能性が非常に高いのです。


RC造は丈夫そうだし雨の入るすき間もなさそうだとお考えの方が多いと思います。現に、RC造の住宅にお住まいの方に私たちが雨漏りの可能性を指摘すると「えっ」と驚かれることがほとんど。


ではなぜRC造の住宅でこれほどの高確率で染みが見つかるのか。これはひとえに、メンテナンス不足が原因と思われます。どんな構造の建物であっても雨漏りのリスクを抱えているにもかかわらず、「RC造は雨漏りしない」というイメージがあるため、メンテナンスをしなくなる。いくらコンクリートでも、経年劣化や地震などで一度どこかにヒビが入れば、ヒビはじわじわと少しずつ広がっていき、そこから水が入って染みていきます。構造を問わず、日々の点検、メンテナンスは怠らないようにしましょう。


「軒ゼロ物件」では、雨漏りのリスクがなんと5倍に!?



雨漏りの事例でもう1つご紹介します。近年、都市部で多く見られる「軒ゼロ住宅」をご存じでしょうか。屋根の部材のうち、外壁から飛び出した部分を「軒」と言います。この軒がない(=ゼロ)、もしくは非常に短いものを軒ゼロ住宅と呼ぶのですが、軒のある住宅と比べると、軒ゼロ住宅のほうが雨漏りのリスクが5倍も高いという研究結果があるのです。


外壁を雨水から守るのが軒の重要な役割ですが、この軒がなければ当然、外壁が直接雨に濡れることになります。雨漏りの被害を受けやすいのは、外壁と屋根が合わさる部分。それから、窓の周りや外壁の継ぎ目などに付けられたゴム状のシーリング材。この2ヵ所は特に徹底的に日頃から点検し、交換できるパーツは交換しておくといいでしょう。


特に都市部においては、限られた敷地面積の中で住宅の大きさ、広さを優先するためにやむなく軒が短くされ、軒ゼロ住宅が多く生まれてきました(シンプルなデザインが求められたという背景もあります)。既に軒ゼロ住宅にお住まいの方は、「雨漏りのリスクが5倍」という事実をよく理解していただき、こまめな点検とメンテナンスを心がけるようにしてください。


内水氾濫による逆流被害


汚物や泥を含む下水が逆流してくる怖さ


続いての事例は、内水氾濫による逆流です。具体的には、トイレや洗面所、浴室、キッチンといった水回りから水が逆流してきます。「水が逆流」と聞いても、たいしたことのないように感じる方がいらっしゃるかもしれません。そうした方は、水道水のような綺麗な水を思い浮かべていませんか?


内水氾濫とは、言い換えれば「下水の氾濫」です。下水ですから、汚物を含んだ生活排水はもちろんのこと、泥も混じっています。こうした水が排水管を逆流してくるのです。怖さがイメージできましたでしょうか。


国土交通省では、水害被害の啓蒙のため、『家庭での被災想定』 と題した資料をホームページ上に掲載しています。逆流の様子も含め、さまざまな浸水被害を写真とともに紹介しているため、よろしければご覧ください。


いざ排水管が逆流したら、どうするか。たとえばトイレの便器や浴室の排水口から水が噴き出してきたら、水のう(みずのう)を作って便器や排水口に置いてください。水のうとは、要するに土のうの水バージョン。大きめのごみ袋を二重にして水を入れ、ギュッと縛るだけ。あくまで緊急的、簡易的なものですが、これを置けば重しになって、排水口に蓋をすることができます。


根本的に逆流を防ぐには、排水管を逆流防止弁の付いたタイプに替えるのが一番です。排水管は地面に埋まっていることが多いので、工事は外部の業者に依頼することになりますが、費用は~15万円ほどで済みますので、取り入れてみてはいかがでしょうか。


コロナ禍ならではの「ベランダ水害」



ベランダの排水能力に過剰な期待は禁物


また、コロナ禍ならではの水害もあります。これは戸建てに限らずマンションでも同様なのですが、コロナ禍で外出を控える代わりに、ベランダやバルコニーで過ごすようになった人が多いのではないでしょうか。ベランダにプランターを置いて植物を育ててみたり、バーベキューをしたり、子ども用のプールを置いてみたり。チェアやテーブルを置いてアウトドア空間を楽しむ「ベランピング」も流行しました。


しかし、こういったアクティビティによってベランダの排水管が詰まり、冠水してしまう例が多く見受けられるのです。


あまり知られていませんが、ベランダの排水管はそもそも、「雨水しか流さない」という想定のもとに作られており、排水能力は決して高くありません。


そんなところに、プランターから落ちる葉っぱや土、子どものプールを片付ける際の大量の水、バーベキューやベランピングで出るちょっとしたごみを流してしまうと…当然、詰まりますよね。


ベランダで楽しむのはもちろん結構なのですが、ベランダの排水能力が高くないということを理解した上で、こまめに掃除をし、詰まらないように十分注意をしてください。


それでも水害に遭ってしまったら


帰宅後の「通電火災」には要注意


さまざまな対策を講じても、水害に遭ってしまう可能性はもちろんゼロではありません。最後に、水害に遭ってしまった際に気をつけていただきたいことを2つ、お伝えします。冠水や浸水の危険性が高く、避難所などに避難した後、状況が落ち着いて家に戻った…というシーンを想像してください。


1つ目は、「通電火災」です。自宅に帰り、まずは照明をつけたくなる気持ちはわかりますが、これは控えましょう。というのも、壁や床がいったん水で湿ってしまうと、通電後に電気機器や配線がショートし、火災が起きてしまうことがあるのです。こうした現象を「通電火災」と呼びますが、電気機器や配線に問題がないように見えても内部が故障している可能性がありますので、不安があれば建物の専門家や近隣の消防機関に連絡を取るようにしてください。


下水を含んでしまった断熱材をそのまま使い続けてはいけない


2つ目は、復旧作業時の注意点です。床が水浸しになってしまった、壁が1mの高さまで浸水してしまった…といった被害があった時には、床の貼り替え、壁紙の貼り替えだけで終わらせないでください。壁が濡れてしまった場合はほぼ間違いなく、壁の中にある断熱材も水を含んでしまっています。


断熱材はスポンジ状の素材なので、一度吸ってしまった水はなくなりません。そのままにしておくと壁にカビが生えてしまいます。加えて、前述のように水害時の水は汚物や泥を含んだ汚い水なので、感染症のリスクも高まります。


ベストな方法は、建物を柱だけの状態にまで解体してしっかり乾燥させ、消毒してからリフォームすること。一度水に浸かってしまった建物は簡単には復旧できないということを肝に銘じてください。


ここまで解説してきたように、浸水などの一度大きな水害に遭ってしまうと、完璧な元の状態に戻すまでにはかなりの労力とコストが掛かります。そうならないために、家を買う前の方はその土地と設計に関する水害リスクの確認を、すでに居住中の方はこまめな状態確認とメンテナンスを欠かさないようにすることが大切です。


※他の専門家コラムはこちらから


【コラム①(長嶋)】水害リスク・見るべき土地と自治体の情報とは

【コラム②(横山)】長年住んでいて水害がなかった場所でも、被害が発生する理由

●【コラム③(土屋)】知らないでは済まされない! 恐怖の水害事例(マンション編)


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